サイクルライフ

瀬戸内国際芸術祭~その後

瀬戸内国際芸術祭~その後

昨年、巡った瀬戸内国際芸術祭2010、その折には多くの人でにぎわっていた。 が、自転車を持ち込んで島の裏側まで見てきた私には、島の人々の年齢が高く学校も廃校になっている所が多いのを目の当たりにした。
島の生活の本当の姿を見たくて、1年経った今、再度島巡りをしてみた。

  1. 犬ノ島(2011年8月4日)
  2. 直島(2011年8月12日)
  3. 豊島(2011年8月12日)
  4. 男木島(2011年8月16日)
  5. 女木島(2011年8月16日)
  6. 小豆島(2011年9月15日)

あまり時間をかけることはしなかったが、ひととおり島を再見した感想は、思いのほか芸術祭の香りが残っていることだった。
大きな展示館には多くの人が入館しており、家プロジェクトなどの小さな展示場にも入場できる。 ただ、小さな展示場は人影がまばらで、これから先何年もこのイベントを続けられるか?疑問だった。

また、夏休みであろうか、展示場よりも海水浴に多くの人が集まっている所もあった。
そのため、町中は昨年のようにごった返すこともなく、島の人たちの素顔に触れることもできた。
大変面白い島巡りだった。

犬ノ島(2011年8月4日)

昨年の犬ノ島には「銅の精錬所」という私には大変お気に入りの展示館があったが、 今年も日程限定ながら開催していて、何人かが入館していた。私も千円払って入った。
館内は昨年を思い出す展示で、インパクトはあまりなかったが、屋外(展示敷地内)にある煙突やレンガ、石ころまで、 全てが茶黒く、青い海の中に突出するその姿は昨年同様、印象深いものであった。

       
       

島の反対側の海岸にあるアート
   ここは相変わらずだれもいない。

「家プロジェクト」
道の脇にイスが置いてある親切な展示もあれば、入場料を取る展示場所もある。入場料が必要な所は、パス。
 ≪蜘蛛の網の庭≫
 ≪中の谷東屋≫
 ≪山の神と電飾ヒノマルと両翼の鏡の坪庭≫
 ≪眼のある花畑≫

「犬島時間」
今年で8年目と言う「犬島時間」がちょうど開催されていた。芸術祭とは関係ないとのこと。
ガラス細工などが展示販売されていたが、ちょっと高かったので遠慮した。(ゴメン)

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直島(2011年8月12日)

昨年最初に巡った直島には今年も自転車を持ち込む。
直島は自転車で回るには坂が多い。
特に一番人気の地中美術館は山の上にあり、ここに行く坂はたいへん急な坂だ。
私のようなロードバイク乗りならどうにか脚力にまかせて坂を登れるが、ままちゃりレンタサイクルの若人たちはみんな苦しそうだった。
豊島のように電動アシストのレンタサイクルにすれば観光の人の人気も上がるのに・・・。
 宮浦港にある赤いカボチャ
 きつい坂を上がって望む瀬戸内

今回は島の北東側の工場地域にも足を伸ばそうと思ったが立ち入り禁止だった。私有地だから仕方ない。
 工場地域

昨年の芸術祭で最初に訪れた「南寺」。この日も1グループが来ていた。
私は入館しなかったが、今年も芸術的なトイレを使わせてもらった。
 「南寺」の横の広場では家族が遊んでた

ベネッセハウス近辺は今年も自転車乗り入れ禁止で、仕方ないので急な(ほんとに急な)坂を登った。 なぜ乗り入れ禁止なのか理解できない。
 乗り入れ禁止区域にある黄色いカボチャ

地中美術館は大勢の人が入館していた。自分は入らなかったけど・・・。
 多くの人が入並ぶ美術館入り口

今日は午後から豊島に渡る計画。豊島には本村港から高速艇しかないので、自転車をたたむ。
数日前に石島が山火事になり、消防ヘリコプタがひっきりなしに水を運んで上空を通っていた。
 豊島に渡る本村の港
 水を運ぶ消防ヘリ
 真っ黒に焦げた石島

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豊島(2011年8月12日)

昨年の直島と同じく今年も展示物は多かったが、どれも有料なので入ることはしなかった。 あまり人も入っていないようだったし・・・。
ここでは、島の人の温かい人柄に触れることができた。(ちょっと気恥ずかしいのだが紹介する)

島キッチン
去年はスルーしてしまった「島キッチン」。今年はおなかが空いていたので、ここで昼食をとった。
待ち時間20分という盛況ぶり。 その間、キッチンの裏で羽のようなものを地面に差し込むというアート(?)をしてたので何本か植えた。
風が涼しかった~。
順番が来てキッチンに戻ると受付の女の子が名前を覚えてくれたのはうれしかった。 (変なカッコウしたおじさんだから覚えてるのか)
うれしくて、「島キッチンセット」とビールを頼んでしまった。これがまたおいしくてまたまた感激。
更に更に、空になったボトルに水をお願いしたら、氷まで入れてくれる心遣い、ありがとうございました。
   島キッチン
   島キッチンセット

アート
唐櫃の少し離れた所にある海岸近くに建てられた小屋「心臓音のアーカイブ」。誰もいなかった・・・。
 「心臓音のアーカイブ」
島の南側まで坂を登り降りしながらたどり着いた「遠い記憶」。ここも、誰もいなかった・・・。
 「遠い記憶」
唐櫃への坂の途中にある「豊島美術館」。半分地面に埋まったような建物だが、ここは多くの人が来ていた。
 「豊島美術館」
そのほかにも展示物はあったが受付の人以外いないし、やはりメインの展示場所しか人が行っていないのか?

絶景
 何度来ても気持ちいい海に伸びる道
 坂道を登りながら見える景色

いちごカキ氷
唐櫃の路地を走っていると道端でカキ氷をしているので、のどが渇いた私は自転車を止めて近づいていった。
するとそこはお店ではなく、軒下でおばさんが帰省した娘さんとお孫さんにカキ氷を作っているのだった。
あわてて立ち去ろうとすると、「にいさんも食べてお行き」と言われて、イチゴのカキ氷をごちそうになった。
大変冷たくおいしかったので、帰るときに「お金はぁ・・」というと、 「そんなんもろたら怒られる」といって受け取ってもらえなかった。
お孫さんに気のきいたものでもとポケットを探しても飴玉ひとつないし、お小遣いあげるのも変だし・・・。
ということで、ありがたくごちそうになって帰った。ほんとうにありがとうございました。
 カキ氷の路地

いちごカキ氷
家浦港に着くと2時間以上の待ち時間がある。近くにあるお店で「いちごのカキ氷」を食す。
ここのカキ氷はイチゴシロップではなく、イチゴの果肉が入っていてとっても美味だった。
 いちごカキ氷

ということで、アートとは関係ないところで少し照れながら島を後にした。

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男木島(2011年8月16日)

男木島に着くと目の前のフェリー待ち合わせ場所がアートになっている。
きれいなスロープを描く建物だが、透明な屋根なので夏は暑い。
 アート「男木島の魂」
 フェリー「めおん2」

男木島ではやはり男木灯台に行ってみる。 今年はあまりアートを見る予定ではないので、灯台に自転車を置いて、遊歩道を1周して時間を費やすことにした。
   男木灯台

戦車に似た「タンク岩」と桃太郎の鬼が逃げたという「ジイの穴」、それに展望台が遊歩道の途中にあるらしい。
「タンク岩」らしい岩と展望台には到達したが、「ジイの穴」はちょと奥にあって、名前も変なので行かなかった。
 遊歩道の案内
 展望所から見る景色
 「タンク岩」らしい

ところでこの遊歩道は2kmにも満たないがけっこうな登り坂で、ビンディングシューズではないgaが、まともな登山靴を履いてない足にはつらいものがあった。
下りは下りで大変急で、足が靴の中で踊って思わず足に力が入った。 やっと灯台のところまでたどりつくころには汗びっしょりになっていた。
この散策が次の日になって数日間、階段も登れなくなる程のふくらはぎの筋肉痛の原因になるとは・・・。

港近くまで帰ってくると、少しはアートを散策してみることにした。
家の間の狭い路地を通っていくと突然サイケな色彩でペイントされた建物が目に入る。
一応受付があり、展示をしているようだが、有料であり誰も見学はしていない。
それにしても静かな島の家々になんとも不似合いな色だろうか。
にぎやかに人通りがあるときはそれなりに活気があってよかったのだが・・・。
 アート「オンバファクトリー」
 極彩色

ここも過疎の島である。
平野が少なく、畑耕作も難しい。
女木島と同じく、小学生中学生もゼロだ。(Webで調べた
去年も感じた寂しさが一層重く感じられる。 なんともやるせない思いを引きずりながら、島を後にした。
 どうにか手入れしている斜面の畑
 人の少ない海岸で遊ぶ若者
 豊玉姫神社から眺めるひと気の少ない町
 生徒ゼロの男木小中学校

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女木島(2011年8月16日)

女木島は港のすぐ横に海水浴場があり、芸術と言うより海で遊ぶたくさんの親子連れがフェリーに乗っていた。
 鬼の島おにの館
 フェリー「めおん2」

自分はこの島でも、島を目いっぱい大きく回ることにして、左手にある遊歩道をゆっくりと自転車で上がって行く。
途中には、昨年見た蔡場も相変わらずホコリをかぶったままだが、お地蔵様には新しい花が供えてあった。
 お地蔵様
 蔡場とお墓

日蓮像の近くでは、またもや山に続く小道があったので自転車を置きしばらく歩いていった。
が、半ズボンだから虫や蛇に刺されそう。草や木も腕や足に当ると痛い。クモの糸も顔に絡まる。 木々が生い茂って景色も良くないし、この道は元来た所まで続いていそうなので途中で引き返した。
ここも足場が良くなくて、明日の筋肉痛の原因のひとつになっているだろう。
 「鬼ヶ島」の看板
 近くに見える高松港
 小道から帰ると自転車にバッタが
 日蓮像

約3kmの道のりであり、山中の交差点(信号なし)にたどりつくとそこから1km坂を上って鬼の洞窟である。
思いがけず、多くの人が着ている。海水浴だけでなく、鬼ヶ島の洞窟見学に子供を連れて来るのだろう。
洞窟は去年入ったので、今年はパスして展望台へ行ってみる。
ここでもわざわざ山頂の公園を遠回りして足の筋肉を使ってしまった。
     展望台から
 洞窟の入り口

ここから島を一周するルートを通って港近くまで戻ってくる。
海水浴場のすぐ近くにある小学校、去年は展示場所になっていた学校も今年は何の展示もない。
去年聞いた「この島には小学生はゼロ。一人もいない」という過疎の状態は今も続いているのだろう。
 女木小学校

海水浴に来てた人もそろそろ帰り支度をしてフェリーを待っている。
自分も自転車をたたんで、フェリーに乗る準備をした。
女木島と男木島には大きな展示場がなく、1年経った今ではほとんど芸術祭の色合いは抜けており、 「鬼ヶ島と海水浴」で夏休みだけが賑わう高齢化&過疎の島になっていた。
 帰り支度を始めた海水浴場
   アートたちも寂しそう

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小豆島(2011年9月15日)

瀬戸内アートのその後として最後に廻ったのが小豆島。
ここは、
4年前去年の芸術祭の2回とも雨だった。
今回は雨にあわないように3度目の正直であることを願う。
また、島を一回りするのも芸がないので、今回はヒルクライムも兼ねて行った。
 土庄港

前回と同じ道を通っているつもりなんだが、なんだか見覚えがない風景が続く。
後で気がついたんだが、どうやら道を間違えて遠回りしてたみたいだった。
土庄の半島を回っていたらパンクしてしまった。
やっと元の道に戻ってきたかて、去年「宝船」の展示があったと思う所には小豆島国際ホテルがあり、 その裏には「エンジェルロード」とか「天使の部屋」などという名所(?)があった。
また、「NetWork」という展示があった所には道がわからず行けなかったが、傘を買った100均ショップには見覚えがあった。
とにかく芸術祭の面影はまったく見られなかった。
 パンク
 エンジェルロード
 100均ショップ

県道252号線にはいってしばらく行くとやっと去年行った棚田が見えてきた。
その近くには「センス・アート・スタジオ」があり、去年はパスした「こまめ食堂」がひっそりあった。
田んぼ沿いの道を選んでみたが、去年の藁のアート、竹のアート、網のアートなどは残っていようもなく、ただ収穫を終えた稲作の田んぼがあっただけであった。
田を下っていくと去年の展示場になっていた大鐸小学校が取り壊しになっていた。
となりの大鐸幼稚園で子供たちの歌声にまじって鉄を切るサンダーの音が物悲しかった。
ここにも芸術祭の後影はまったくない。
 棚田
 こまめ食堂
 刈り取られた稲作田
 解体される大鐸小学校

去年来た時もこの広い小豆島に小学校が3つしかないと聞いて驚いたが、瀬戸内芸術祭は一時的なお祭りにしかならなかったようだ。
そんな思いを残しつつ、ここからは寒霞渓に向かった。

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